同人漫画のための印刷基礎知識 1時間目・印刷機の種類
カテゴリ:同人印刷 投稿日:2014/06/21
1時間目 印刷機の種類
まず最初は、印刷機の説明からだな。一口に印刷機と言っても、その種類は多岐にわたり、用途も異なる。凸版、凹版、平版、孔版、それからデジタル印刷機と呼ばれるものまで様々だ。
一息には覚えきれなさそうです。
うむ。だが、漫画の印刷で使われるのは、ほぼ100%、平版かデジタル印刷機だ。この二つだけ覚えておけば問題ない。貴様もオフセット印刷、オンデマンド印刷という言葉ぐらいは聞いたことがあるだろう。
ええ、まあ。
オフセット印刷というのは平版印刷のことを指している。オンデマンド印刷はデジタル印刷のことだ。ただここで、注意しておくべきことがある。
なんですか?
『デジタル印刷』という言葉は、その印刷方法まで指定していない。オンデマンドだのデジタルだの格好付けているが、要するにこれは『プリンタ』なんだ。プリンタにはインクジェット式もあるしレーザー式もあるしドットインパクト式もあるのは知っているだろう。
家庭用だとインクジェット、オフィス用だとレーザーっていう印象です。(ドットインパクト式って何だろ)
ああ。だから、オンデマンド印刷と呼んでいる時には、実際にどんな印刷がなされるのか分からない。ただ、統計を出したわけではないが、レーザー式のオンデマンド印刷機を使用しているところが多い印象だ。うちにあるオンデマンド機もレーザーだぞ。
あ、一度見たことあります。めちゃくちゃ大きいんですよね。
原理的にはレーザープリンタと同じとはいえ、製品を作るための機械だからな。速度も精度も発色も、普通のレーザープリンタとはレベルが違う。その分、機械の値段も2桁は上なんだが。数千万円なんてざらだからな。
うへぇ。
というわけで、ここではオフセット印刷機と、オンデマンド印刷機の中でもレーザープリンタタイプについて解説することにしよう。
オフセット印刷機
一度工場見学に行った時に機械を見ましたけど、オフセット印刷機ってオンデマンド機よりもさらに大きいですよね。
普通『印刷機』っていうとイメージするのはあれなんだけどな。普通の家庭用のプリンタがA4(210mm×297mm)の紙を通せるのに対し、A全版(594mm×841mm)や菊全版(636mm×939mm)、四六全版(788mm×1091mm)まで通せるものもある。もちろん、通せる紙のサイズは印刷機によって異なってくるが、とにかくでかい。
ざっくり図にするとこんな感じか。横から見た図な。
ああこんな感じでした。ホント大きいですよね。でも、作る本は文庫サイズだったりするんですよね?
1枚の紙に何ページ分も印刷するからな。それを折って折って折って、16ページとか32ページとかの固まり、『折丁』にするんだ。折丁をいくつも重ねることによって、普段目にしているような224ページとか320ページの本が出来上がるわけだな。
ダイナミックですよね。
オフセット印刷機にもスペックがあってな。今言ったサイズの他に、色数の問題がある。
あー……そういえば工場長が『これは何色機だよ』って説明してくれた気がしますけど、忘れちゃいました。あれってどういう意味なんですか?
うちにあるのは4色/4色の機械と、5色/0色の機械と、2色/2色の機械だが、それを聞いても貴様にはよくわからんだろうな。そもそも、印刷がカラー表現をどのように再現しているのかを知らねばならん。ちなみに訊くが、どうやっていると思う?
……えーっと、そういう色のインキを買って……。
ブーっ!
(なんかキャラが変わった)
カラー印刷に使うインキは決まっていて、たった4色しか使用しない。シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4つだ。CMYKとひとまとめにして呼ばれることが多いな。ブラックのインキのことを特に『スミ』と印刷業界では呼んでいるが、別に墨汁を使っているわけじゃない。
4色を……混ぜるんですか?
いや、4色をそのまま使って印刷する。ここに一枚のカラーチラシがあるが、ルーペで覗いてみろ。4色しか印刷されていない。普通に見ている時にお前の目に映る緑とかオレンジとか茶色なんかは、全てお前の視力不足による錯覚だ。
(注:実物を撮影したものではなく、画像処理で再現したものです)
……あ、ほんとだ。4色の小さい点が並んでますね。
それが世に言う『アミ点』というやつだな。網の目状に並んでいる点だからそう呼ばれている。これについては後で詳しく説明するが、これで4色のインキでカラー再現が出来ていることがわかったろう。
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4C網の角度がC75M60Y45になってますよーCM15度だとモアレきついのでCMYK=75/45/0/15 とかの方が説明としては宜しいかと思います。
ご指摘ありがとうございます。
すみません、差し替えました。