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InDesignを持て余している人のための同人小説組版・第一回「版面設計」

カテゴリ:同人印刷  投稿日:2012/10/20

小説の同人誌を出すにあたって「Wordで組むよりもっと綺麗に自由に組みたいなぁ」と思ってInDesignを買ったはいいが使い方がよくわからずに眠らせてしまっている人とか、安くはないソフトを買って使いこなせなかったら勿体ないと、手を出せないでいる人はいるんじゃないかと思います。
InDesignはAdobeから出ている組版ソフトで、2012年10月現在の最新版はCS6です。組版業界的には近年のスタンダードなソフトであり、その多機能さはプロツールらしき佇まいを与えていますが、それ故に初心者がとっつきづらいのは事実です。しかし、要点を抑えてしまえば、小説組版ぐらいは決して難しくありません。ぜひチャレンジしてみてください。

さて、初回は「版面(はんづら)設計」です。版面とは、紙面の中で本文が占めるエリアの事を指します。柱やノンブル(ページ番号)は通常含まれません。
版面
赤いところが版面

二段組版面
二段組の場合は、この範囲

版面の設計は組版の命です。特に小説本では、版面の設計とフォント選択でほとんど決まると言っても過言ではないでしょう。版面設計では、級数、行数、行文字数、行間、段数、段間と、それらを全てひっくるめた版面が紙面のどの位置に来るかを決定します。

まずはファイルを作ろう

とりあえずInDesignを起動して、ファイルを作りましょう。メニュー画面

こんなウィンドウがでます。
(ちなみに私が使っているソフトはMac用のInDesign CS2です。ちょっと古いです)
今回は一般的な文庫サイズであるA6版で設計します。
書籍ですので「見開きページ」にチェックを入れ、方向(紙の向き)を縦、縦書き小説なので綴じ方を右綴じ(「本」と書いてある方)にします。そこまで設定できたら、ドキュメント作成方法の「レイアウトグリッド」を選択します。

メニュー2

こんな画面がでます。これが版面設計のための画面です。

版面の設計は、何か参考になる本を実際に計ってみるのが良いでしょう。私は手元の文庫を計って、画像のように設計しました。
(用語、単位が分からない場合はここを参考にしてください)
フォントについては次回記載します。何のフォントを選んでも版面設計には影響しません。
※文字組で注意すべきは、なによりも可読性です。自分で読みやすいと思う本を真似するところから始めるのが良いと思います。
※文字垂直比率、文字水平比率、字間は通常、100%、100%、0Hから変更しませんので、弄らない方が良いです。

OKを押すと、次のような画面が出ていると思います。
マスター
クリックで拡大

パラメータを変えている時にガサガサ動いていたはずなのでもうお気づきかもしれませんが、この緑の枠のエリアが版面です。その外側の黒い枠が仕上がりサイズで、赤い枠がブリード(塗り足し)の部分です。

以上で版面設計は完了です。この後マスターページの設定をするのですが、それはまた次回。

第二回へ



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“InDesignを持て余している人のための同人小説組版・第一回「版面設計」” への3件のフィードバック

  1. InDesign攻略中&30日チャレンジ17日目

    私はナレーーがメインの仕事!・・・と思っているのですがこのところ、動画制作とか版下製作とかやっています。タイトルロゴも本当はプロのお友達に頼みたかったのですが急ぎなの …

  2. tatami より:

    はじめてのInDesignを使っての文庫本づくりだったので、とても助かりました。
    このサイトがなかったら、入稿が間に合っていたかどうか……。
    どうもありがとうございました!

    • 皮算積人 より:

      入稿おめでとうございます。
      僅かでもお役に立てたなら幸いです。

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