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伝えることと、怒りを用いないこと

カテゴリ:お知らせ , 雑談  投稿日:2014/04/05

4月2日に傘の持ち方についての注意喚起ポスターを公開、Twitterにてその旨ツイートしたところ、たくさんの(本当に驚くぐらいたくさんの)リツイートをいただきました。

あのポスターを制作するにあたって心がけたことがあります。
一つは、三秒以内に理解できる情報量にすること。歩いている人が見るポスターは、長い時間をかけて読む前提で設計してはいけないと思うからです。
一つは、誰でも印刷できるようにすること。家庭用のプリンター出力しても破綻がないようデザインしたり、PDF/X-1aで公開することで、掲示するまでのハードルが低くなると思ったからです。(X-1aは、PDF入稿を受け付けている印刷会社でなら普通は印刷できます)

そしてもう一つ、一番気を使った点として、「攻撃的なコピーにしないこと」を心がけました。

拡散していただいた結果として、色々な方のコメントを拝見する機会に恵まれたわけですが、多くの方が憤りの言葉も添えていらっしゃいました。僕自身、あの危険な持ち方を目にすると腹立たしくなることがあるので気持ちはとてもよくわかりますが、でも「怒りは物事を良い方向へ動かさない」とも思うんです。

そもそも、僕がこのポスターを作るに至ったのには、「危険な傘の持ち方をしている人のほとんどはその危険性に気がついていないがためにそのような行動をとっている」という仮説が前提として存在します。これは、僕自身が粗野で鈍感な人間であるためです。今回の傘の件では情報を発信する側でしたが、それ以外のところで気づかずに危険な行動、迷惑な行動をとっていることは、僕のような粗野な人間には、きっと多いんです。でも、それは悪意をもってわざとやっているわけじゃない。だから、危険な持ち方をしている人のなかにも、その危険性と改善策を伝えれば、それだけで改善してくれる人は多いと思うんです。そして、その「危険性を伝える」という行為に、怒りの感情はむしろ障害になりうるんですね。

怒りって、敵を作るものなんです。怒りを向ける相手は、自然に敵になってしまうんです。そうすると、怒りを向けられた相手は、怒りを発してる人を敵だと認識してしまう。敵から言われた言葉をすんなり受け入れられる人って、そうそういるものじゃありません。

だから、現実的に状況をよくしたいと思ってくださる方は、怒りではなく、伝えることに力を使ってください。敵を作らず、社会に共存する仲間の行動を改善するために言葉を使ってください。

そして、どんなに言葉を尽くして危険性を理解させてもなおその危険な行為を行う人には、怒りを向けましょう。そこまできたら、もう憤る以外にできることは多分ありませんから。



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“伝えることと、怒りを用いないこと” への2件のフィードバック

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