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KDPで二次創作はアウト?

カテゴリ:雑談 , 電子書籍  投稿日:2013/12/22

Twitterでちょっと話題になっていたので、現状の整理と僕の感想についてまとめておく。

何が起きたのかというと、とても単純な話で、Kindle Storeで二次創作漫画が販売されていたんだ。んで、これはアリなん? っていう話になった。

一般論としてKindle Storeでの二次創作作品の販売は「アリ」か「ナシ」かでいったら、「ナシ」だろう。Amazonの規約的な問題。十千さんが指摘なさっていたけど、多分KDPの規約の5.8に引っかかる。

KDP利用規約の5.8には「KDP利用者は、販売するコンテンツが知的財産権を侵害したものでないことを表明し、保証する」という内容が書いてある。知的財産権には著作権が含まれており、著作権者の許諾を得ない二次創作物は、基本的には「訴えられたらアウト」な代物であるのは二次創作の世界にいる人ならご存知の通り(翻案権や同一性保持権に抵触するようですな)。
(ちなみに現行の著作権法の違反は親告罪ですが、告訴権者の告訴が公訴に必要であるというのは、著作権侵害の事実の違法性が告訴の段階まで存在しないという意味ではないと思います……法律に明るくないので、違ったらすいません)

上記のことから考えてAmazonの規約的にアウト、というのは異論のないところだと思う。

そんで、僕の感想なんだけど、二次創作って僕も読むの好きなんだよね。ただ、KDPで販売するっていうのはやり過ぎだと思う。Amazonって、同人ショップじゃないからさ。

二次創作が黙認されてる(放置されているともいう)状態になっているのって、一つには「二次創作をしている奴が多すぎて全部訴えてたらきりがない」というのもあるのかもしれないけど、「限られた世界でやってる分には事を荒立てたりはしないよ。静かにやってね」という著作権者の微妙な立場ってものがあるんだと思う。もちろん、苦々しく思ってる著作権者もいるんだろうけど、ファン活動が活発になることはそれはそれで良いことだと考えてる人も多分いる。

二次創作同人っちゅうもんが同人ショップや同人イベントで販売されてることは業界的にはもう既成事実としてあって、それを全て駆逐しようという考える人はあんまりいないと思う。だけど、一般書店で流通させちゃったら「おまえそれはやりすぎだよ」って著作権者側も言わざるを得なくなってきてしまう。Amazonで流通させるって、そういうことなんじゃなかろうか。

例えばナマモノ同人やってる人たちって、絶対に表に出しちゃいけないってかなりの気を使ってるらしい。問題が大きくなったらイベントやそういう界隈が潰されちゃうかもって思ってるから。以前たしか女性の芸人が先輩芸人二人のBL本をナマモノイベントに出すって大っぴらに宣言して叩かれまくったって話があったけど、グレーな物を取り扱う人たちは自分たちの立ち位置をわきまえてないといかんというのは本当だと思う。

「違法な作品なんだから、そんなものを作ってはいかん」っていうのは簡単だけど、それを書きたい人がいて、それを読みたい人がいるってことも事実。そういう状況にあって「こそこそやって、楽しもう」っていうスタンスはある程度許容されていいと思う。でも、だからこそそれを逸脱するような行為は気をつけなきゃいかんのじゃないかなあ。



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