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竜王の国 第四話「言い訳」

 荒かった呼吸が徐々にそのリズムを整えていく。次第に呼吸は寝息となり、顔つきは穏やかなものとなった。ノラを囲む面々は、ほっと胸を撫で下ろす。ノラの汗を拭くエドナにモニカは言った。 「とりあえず、落ち着いたみたいね。暫くそ […]

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竜王の国 第三話「忌み子」

 夜が明ける。昨日の事が作り話のように、エドナはいつもよりものんびりとした朝を迎えた。自分が何をしたのか、何を見たのかも朧げになっていた。モニカが開けた扉から入る風が、部屋の中を優しく吹き抜ける。  モニカは、エドナに「 […]

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竜王の国 第二話「秘密」

「うわあ、大きい」  ノラは見たことのない大きさの建築物を見上げて、感嘆のため息を漏らした。  村を出て二週間、ひたすら街道を歩いて、途中で小さな村や町を通り過ぎながら、とうとう一行はセントの街に辿り着いた。エドナとノラ […]

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竜王の国 第一話「小鬼とノラ」

 太陽は、山の端に隠れようとしている。夜の帳の下りるのを待たずして、既に森は闇に包まれていた。エドナは、先刻の村人達とのやりとりを思い出していた。
(やっぱり、無茶だったかな。でも駄目、朝を待ってたら、絶対に間に合わない)
 幾度となく繰り返した葛藤。しかし、エドナの足は前に進むしかなかった。遠くに聞こえる梟の声と、自分の息づかい、落ち葉を掻き分ける足音だけを聞きながら、そしてその中に別の音が紛れ込んでいないか、神経を張り巡らせながら、その場所を目指した。背中に担いだ狩猟用の弓は、彼女でも手軽に扱える小さなものであったが、今はそれに縋るしかない。「巣」の場所はおおよそ分かっている。いつもは避けて通る場所だった。

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