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オンデマンド機とオフセット機

カテゴリ:同人印刷  投稿日:2012/10/14

同人印刷において、ほとんどの場合、印刷は「オンデマンド印刷」と「オフセット印刷」から選ぶことになります。両者の違いについて簡単に纏めました。

オンデマンド印刷

「オンデマンド印刷」という言葉には、具体的な印刷方式を示す意味は含まれていません。ただ「要求に応じて出力できます」という事だけを指しています。
恐らく、同人において最も一般的なオンデマンド機の印刷方式は「電子写真方式」と呼ばれるものです。これはレーザープリンタと同じ方式(というより、大きいレーザープリンタだと思った方が正確かもしれません)で印刷します。オフセット印刷に比べて小さい紙しか使えない事から、大量の印刷には不適当です。
トナーを用います。

オフセット印刷

「オフセット印刷」という言葉は、そのまま印刷方式を指しています。ほとんどの場合平版を用います。アルミで出来た版を作成する必要があること、また大きなサイズの紙を印刷するために機械が設計されていることなどから、大量印刷に向いており、少量印刷では固定費用の割合が高くなります。
一般商業書籍で最も多く使われている方式だと思われます。
インキを用います。

両者の違い

オンデマンド印刷も、近年は機械の進歩により高品質化が進んでいますが、しかし品質にはやはり差があると考えるべきです。
そもそも、粉であるトナーと、液体であるインキの違いがある以上、見え方は異なります。トナーは一般的に、光沢を伴います。紙の性質によって光沢、非光沢を変えられるオフセットのインキに対して、紙の性質に関わらず光沢感を付加してしまうトナーは、思い通りの仕上がりを得難い印刷方式であるといえます。
また、 電子写真方式の宿命として、ノイズがあります。電子写真方式は、帯電させた感光体にトナーを付着させて紙に転写するという方法で印刷を実現しており、トナーが乗るところと乗らないところは帯電しているか否かで分けられるのですが、その際に、本来トナーが乗るべきでないところにも僅かながらトナーが残ってしまいます。実際に印刷された紙で、本来真っ白であるべきところをよく見ると、少しですがトナーが乗っているのが見えます。これは電子写真方式を使う以上避けがたいノイズであり、特に白が重要な絵柄の場合は注意が必要です。
実際のところ、品質を理由にオンデマンドを使うかオフセットを使うかを変える方は、同人関係の人間では稀であろうと思われます。部数から考えてどちらを利用すべきか、コストから判断することがほとんどでしょう。しかし、両者の印刷方式は明確に異なり、それが品質にも影響していることは予め理解しておくべき事柄かと思われます。
僕自身の経験としては、オフセット印刷の品質を超えるオンデマンド印刷は見たことがありません。コスト的にどちらを利用しても同程度のお金がかかる部数を発行する時はオフセット印刷を勧めます。



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