InDesignを持て余している人のための同人小説組版・第六回「検索・置換」
カテゴリ:同人印刷 投稿日:2013/01/20
前回で本文スタイルと台詞スタイルができたので、テキストに適用していきます。
まず、テキストが入力できる状態(テキストにカーソルがある状態)でCtrl+Aでテキストを全選択し、「本文」のスタイルをクリックして適用します。これで全ての段落に対して「本文」のスタイルが適用された状態になります。
次にCtrl+Fで検索ウィンドウを出します。
検索・置換機能は、基本的にはテキストを置き換える為の機能ですが、下方にある「置換形式の設定」にスタイル等を設定して置換することで、検索対象に対してその体裁を適用することができます。 これを利用して、台詞の段落を一括で検索した上で台詞スタイルを適用しようという腹です。
ここでは、台詞段落のスタイルを適用する行を「段落の先頭に起こしのカギ括弧がある段落」と定義します。段落の先頭に起こしのカギ括弧があることをどのように検索すればよいでしょうか。(CS3以降では正規表現での検索(GREP)が使えます。正規表現が使えれば、段落の先頭を「^」で指定できますが、ここでは私の環境のCS2を前提としています)
検索窓の右側の三角形を押すと、ワイルドカードなどの便利な検索用の記号が出てきますが、段落の先頭を指定する記号はありません。仕方がないので、段落の終わり(改行記号)を指定して、その後になにか他で使われていない文字(☆等)を追加してしまいましょう。
こう入れて「全て置換」を押します。最初の段落以外の段落先頭に☆が入ったはずです。この☆が段落の先頭を意味する記号として役に立ちます。次はこのように検索・置換窓に入力します。
ここでは置換文字列の設定は敢えてしません。その代わり「置換形式の設定」に「段落スタイル:台詞」を設定しています。置換形式の設定をするには、右側の「形式ボタン」を押して、段落スタイルに「台詞」を選びましょう。
OKを押せば置換形式の設定は完了です。
置換テキストに何も入力しなかったのは、InDesignの検索・置換機能は「置換形式が設定されていて、置換テキストが空っぽのときは、テキストの置換はせずに形式の適用のみを行う」という仕様だからです。
「全てを置換」を押しましょう。台詞スタイルが適用されているはずです。
最後に☆を削除します。
置換形式の設定を消去しておけば、置換テキストが空であることがテキスト変更に反映されます。
以上で一通り本文スタイルと台詞スタイルが適用できたはずです。この方法だと、最初の段落だけは☆が入りませんので、もし最初の段落が台詞で始まっている場合はそこだけ手で適用してください。
なお、CS3では前述の通りGREPでの検索・置換機能を使った方が楽です。(恐らく“^「”で検索してスタイルを適用するだけでいけるはず)
次回は、感嘆符の処理(!とか?の後のアキ)についての予定です。
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はじめまして。
段落先頭に鉤括弧があるかないかでスタイルをわけておられるようですが……
通常、それらは文字組みアキ量設定で一括設定します。
例えば、例に挙げておられる設定なら「行末受け約物半角・段落1字下げ(起こし食い込み)」というデフォルトの設定を……。
デフォルトで用意されている「段落1字下げ」「段落1字下げ(起こし食い込み)」「段落1字下げ(起こし全角)」の違いを把握すれば理解できると思います。
※基本設定画面の「段落字下げ」部分がどう変化するか確認…
※詳細設定画面で「前の文字クラス/段落先頭」を表示し、同様に…
拙ブログにデフォルト14種の違いを簡単に説明したpdfがあります。
→ http://d.hatena.ne.jp/works014/20110730
蛇足ですが、決してデフォルト設定のママでの使用を推奨するつもりはありません。
逆に、カスタマイズは必須と考えていますので、誤解なきよう。
いま、はたと気付いたのですが、(シリーズ)記事の流れとしてこの展開が必要なのであれば、無視してくださいね。
横槍、申し訳ありません。
遅いレスポンスで申し訳ありません。
ありがとうございます。参考にさせていただきます。
(話が煩雑になるかと思い、文字組については最初のうちは触れない方針で書いております)