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InDesignを持て余している人のための同人小説組版・第四回「別マスター作成とセクション」

カテゴリ:同人印刷  投稿日:2012/11/30

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今回は別マスター作成とセクションについて。

前回までで、マスターの作成の最も基本的なところはご紹介しました。ですが、マスターが一つで全て同じマスターを使うとなると、白ページやノンブルを入れたくないページ等、不都合が生じます。しかしInDesignでは、マスターを複数種類持つことができ、各ページでどのマスターを適用するかを決めることができます。

マスターの増やし方

ページウィンドウのメニューから「新規マスター」を選択するだけです。

新しいマスター

新規マスター

OKを押せば、Bマスターという新しいマスターが作成されます。「基準マスター」というのはマスターのマスターと呼ぶべきもので、例えばAマスターをこれに指定すると、AマスターがBマスターに適用されます。ページでAマスターを指定した時と同じように、Aマスターで作成されたアイテムがBマスターに出現します。
この機能を使えば、例えばAマスターでノンブルのみを設定し、Bマスターでノンブルと柱を設定したいときに、AマスターとBマスターでノンブルを二回設定せずにすむようになります。 また、Aマスターを変更すれば、Aマスターを適用しているBマスターにある同じオブジェクトは何もしなくても全く同じように変更されますので、ノンブルの位置を後で変える際に手間がかからないことと、AマスターとBマスターでずれてしまう心配もなくなります。上手く使えば便利です。とはいえ、技術書などの書籍組版をする時には大変重宝する機能なのですが、小説でマスターに設定すべきはノンブルと柱ぐらいでしょうから、 活用する機会は少ないでしょう(というか私は今のところ小説組版では、マスターに別マスターを適用する機能は使っていません)。

マスターの適用

最初は全てのページにAマスターが適用されています。Bマスターを作成し、適用したいページがあるなら、ページウィンドウを右クリックしてコンテキストメニューから「マスターページの適用」を選びましょう。

適用メニュー

適用のメニューがでますので、適用したいマスターと適用したいページを指定します。特定のページのみに指定したい場合はそのページ番号を、範囲に指定したい場合は「100-120」の様に記述します。

「A」「B」と書いてあるのが適用されているマスターです。

セクションの設定

柱を作成するときに、「セクション」という機能を使うと便利です。セクションという言葉の通り、区切りを入れて分けていく機能なのですが、分割されたセクションごとに違うテキストを入れる「セクションマーカー」という機能が、InDesignにはあります。

セクションマーカーはマスターに置くべきテキストです。ノンブルの時と同じように「特殊文字の挿入」から挿入することができます。

(毎度書いていますがCS2の画面です。CS3以降だともう一階層もぐらないとセクションマーカーは見当たらないかも知れません)

セクションマーカー

フレームグリッドにセクションマーカーをぶち込んだ図です。「セクション」と書いてありますが、「セクション」というテキストが入っている訳ではなく、特殊な文字が入っているので注意してください。「セクション」で一つのまとまりなので、デリートキーで一文字消そうとしても「セクショ」にはなりません。

セクションマーカーは、この状態で何も設定しなければ、実際のページでは何も表示してくれません。セクションマーカーの表示を変える為には、「ページ番号とセクションの設定」をしなければなりません。ページウィンドウのページを右クリックして「ページ番号とセクションの設定」を選びましょう。

新しいセクション

開始セクションにチェックが入っているのを確認して、「セクションマーカー」の欄にテキストを入力しましょう。

ページでセクションマーカーの位置を見ると、先ほど入力した通りのテキストが入っています。

このセクションマーカーの設定は、セクションの区切りを入れた後のページ全てにかかってきます。たとえAマスターとBマスターが途中に混在していたとしても、特殊文字としてセクションマーカーが入力されている場所には全て同じテキストが入ることになっています。

以上の方法を使えば、柱を変えたい時に変えたい場所でセクションを区切って、そこでセクションマーカーを設定して、複数の章を簡単に作り分けることができます。

さて、マスター周りについての説明が三回に亘って続きました。大事なところなので三回やりましたが、今回で一旦終了とします。次回からは本文について。

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