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InDesignを持て余している人のための同人小説組版・第三回「マスター設定その2とフォント選択」

カテゴリ:同人印刷  投稿日:2012/11/04

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前回に引き続きマスター設定のお話から。

ノンブルの入れ方

さて、次はノンブル作成です。InDesignでは「ページ番号」という特殊な文字を使ってノンブルを振るのが一般的です。
まずフレームグリッドを作ります。これは柱のときと同じ。
クリックしてテキスト入力可能な状態になったら、「書式」→「特殊文字の挿入」→「自動ページ番号」を選択。(これはCS2のメニューでの表示です。CS3以降ですと恐らく「書式」→「特殊文字の挿入」→「マーカー」→「現在のページ番号」という表示になっているのではないかと思います)

自動ページ番号を入れるとこのように表示されます。「A」と表示されているのは、Aというテキストが入っているのではなく、自動ページ番号であることを示しています。マスター上ではAですが、各ページではそのページの番号が入っています。

文字揃え設定

普通ノンブルは小口寄りに揃えます。左右ページで左揃え、右揃えで分けて設定しても良いですが、「ノド元から整列」を使うとCoolです。

ノド元から整列

段落ウィンドウ右上で選択されているのが「ノド元から整列」です。その隣に「ノド元に向かって整列」があります。正直言葉の意味が分かりにくいですが、前者は「小口に寄せる」、後者は「ノドに寄せる」という意味です。「ノド元から整列」に設定しておけば、左ページで作ったノンブルを右ページにコピーするだけで、右側に寄ってくれます。覚えておいて損はありません。

フォント選択

さて、突然フォントの話に移ります。柱、ノンブルと作ってきて、特にフォントの話をしてきませんでした。微妙に長くなりそうだったので。
フォントには様々な種類があります。和文フォント、欧文フォント、イラストフォント、色々なメーカー・個人が販売・公開しているので、何を使えばいいのか分からなくなることもあるでしょう。ここでは、フォント選択の指針を示したいと思っています。

等幅フォントを使おう

等幅フォントとは、文字が全て同じ幅、高さで作成されているものです。プロポーショナルフォントと呼ばれるもの(特に欧文で多く見られ、和文でもMSP明朝などがあります)は、幅が文字毎に異なるものとして作成されています。人によって美醜の基準は違うとは思いますが、和文の組版では等幅フォントを使うのが基本であり一般的である以上、それに倣うのが自然です。

なるべくOpenTypeを使おう

あまり細かい話は省きますが、InDesignで組版を行う際には、OpenTypeフォントを使うのが望ましいです。規格として新しいということもありますが、TrueTypeフォントに比べて組版に適したデータの設計になっています。
参考ページ
また、PDFへのフォントの埋め込み時に、TrueTypeだとトラブルになることもあるようです。
参考ページ

フォントについては奥が深く、正直私も把握しきれておりませんし、本来の仕様がどうあれメーカーによってはトラブルになることもあると考えると、何でもいいというわけにはいかないようです。

具体的に何を使えば良いのか

色々メーカーはありますが、私が使ったことがあるフォントはほとんどモリサワ製なので、モリサワのフォントはとりあえず問題無さそうだというのは経験的に言えます。
実際の文庫本等で使用されているフォントを購入するのも良いでしょう。
参考ページ(このページで挙げられているリュウミンはモリサワのフォントです。使っているところ多いですね)

ライセンスには注意

一応、同人とは言えお金が発生するものに対しては、フォントのライセンスは確認しておきましょう。例えば、モリサワのライセンスはこんな感じです。

中途半端なところですが、フォントについては以上で。次回に続きます……

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“InDesignを持て余している人のための同人小説組版・第三回「マスター設定その2とフォント選択」” への2件のフィードバック

  1. Maekawa Masaaki より:

    タイトル通り「InDesignを持て余している人のための同人小説組版・第一回「版面設計」」につられてやってきました。
    ご親切な説明にとても助けられています。紙のハウトゥー本も購入しましたが、チンプンカンプンでした。
    さて、この3回、「ノンブルの入れ方」で、
    左ページで作ったノンブルを右ページにコピーするだけで、右側に寄ってくれます。覚えておいて損はありません。
    とありますが、右ページにコピペする方法をご教授いただけないでしょうか?

    • Maekawa Masaaki より:

      先の、コメント(というか、質問)解決しました。
      すみません。

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