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InDesignの字下げ

カテゴリ:同人印刷 , 小ネタ  投稿日:2017/06/01

InDesignにおいて、字下げをどう実現するのが適切か、方法を自分なりにまとめる。
特に目新しいことはない。

(1)インデントで設定する

字下げ=インデントなので、これで設定するのが最もデータ上の意味としては正しいと思う。
行頭側も行末側も、段落全体に対しても先頭行/最終行だけに対しても、ここの設定でとりあえず全部できる。

難点は、修正の段階で級数が変化した場合にはそれに合わせて再設定する必要があること。
字数でのインデント設定ができればもっと便利なんだけどなぁ(人からデータをもらった場合は混乱の原因になりそうだけど)。

(2)文字組みアキ量設定で設定する

先頭行に対して、字下げを設定することができる。
先頭文字がパーレン類のときとそれ以外を分けて設定できるので、一つの段落スタイルで地の文とセリフを同時に設定することも可能。
また、文字サイズの設定に依存するので級数の変更後も自動でインデント量が変わる。

難点は、すべての字下げ処理に対応できるわけではない、ということ。
突き出しインデントはできないし、そもそも段落全体に対する字下げの設定ができない、というのがひとつ。

もう一つ難点として、前述のとおり「文字サイズ設定に依存する」という点。
以下にいくつか、それによって起こりうるちょっと面倒くさい状況を挙げておく。

先頭文字n倍ダーシ

ライトノベルで割とよく見る「段落頭にn倍ダーシがくる」という状況を作る際、単純にダーシ(あるいはHORIZONTAL BAR)を連続で打ってもいいのだけど、書体によってはつながらないことがある。

こういう状況を避けるため、個人的にはダーシを連続で打つより「一つのダーシの垂直比率を変えることで複数文字分の幅をもたせる」という方法を採っている。
これなら画面上ではつながっているように見えているがRIP時に隙間ができてしまうという状況を避けられるし、万が一にもダーシが行をまたがるようなことがない(ふつうは分割禁止にしていると思うけれど)。

ただ、この方法を採ると、段落の先頭文字にダーシが来た場合、字下げに影響する。

上の例は垂直比率を200%にした状態。字下げまで200%になる。「アキの大きさは文字サイズ設定に依存している」ので垂直比率300%なら300%、垂直比率400%なら400%のアキになる。これを避けるためには、その段落だけ別の処理を行う必要がある。

見出し

見出しの配置は本文級数の何文字分、というカウントで字下げを設定することが多いと思う。
また、見出しは本文よりちょっと級数が大きいことが多いと思う。
(ぼくが図を作るよりW3Cの日本語組版処理の要件を見てもらったほうがわかりやすい)

字下げを文字組みアキ量設定に依存させている場合、この処理をするにはとりあえず一番最初の文字の前アキをベタにする必要が出てくるのだけど、そんなことするぐらいだったら「見出しは文字組みアキ量設定を変えればいいんでは」となると思う。
ただ、個人的には「段落の字下げ設定が違うだけで文字組みアキ量設定を複数持つのはいかがなものか」と思う。管理上、分かりにくい。

なんか天ツキにしたいとき

ぼく自身はこういう書き方をしたことはないけど、改行コードが入ったからと言って必ずしも段落的に分割するわけじゃない、という状況がある。上の例では、段落中のセリフを独立させるが段落的にはつながっている、ということを示すために「と言い」のところを天ツキにしている。

これを作るために前ベタ処理をしてもいいんだけど、なんかこそばゆいので、避けたい。

代替案

そういうわけで、アキによって字下げを実現するにしても、文字組みアキ量設定を使って効率的かつ管理しやすい状況というのはかなり限られると思う。それなら、正規表現スタイルを使ってアキを設定する方が混乱しにくいのではないだろうか。

アキを使用した字下げ設定でも、段落スタイル上で管理・変更ができるため、文字組みアキ量設定を統一しても複数の段落スタイルで字下げのパターンを使い分けることができる。
ただし、もちろんアキを使用した字下げなので、n倍ダーシの問題は別途なんらかの処理をする必要がある。

以上、うまく使えれば便利だが、そもそも「アキ」で字下げを実現するのは本来的でなく、「この方法が正しい」ではないと思う(段落境界線で囲み罫を作る、のような、ちょっとバッドノウハウに足を踏み入れかけたやり方だという認識。たしかにAdobeが用意しているやり方ではあるのだが、Adobeは疑ってかかれというのが曾祖父の口癖であった)。

(3)「ここまでインデント」文字を使う

ある意味究極のやり方がこれ。
インデントしたいところまでスペースを入れて、Ctrl+¥で「ここまでインデント」文字を入れると、次の行からそこまでインデントになる。

こういうインデントの付け方も可能。
また、以前はアキのあとに「ここまでインデント」文字を入れるとアキの手前のところにインデントの位置が来るという妙な仕様になっていたと思うのだけど、最近はそれが解消しているようだ。

かつてはあまり好んで使うことがなかったのだけど、最近は「1回しか出てこないインデント位置」を設定するのが面倒だったりすると、段落頭にスペースを入れたうえでこれを使ってしまうこともある。「使いまわさないデータなら」アリかもしれないと思う。というか、「一度印刷して終わりの案件」とか「とりあえずのスピードが求められる現場」だとたぶん使うことが多い。たぶんだけど。

ちなみにこれは論文や約款など文書構造がとてもしっかりしている原稿でやるとむしろめちゃくちゃ遅くなるので、普通に段落スタイルを作った方がいい。なんだかイマイチおぼつかない原稿で効果を発揮する部類の手法。

まとめ

さて、いろいろ書いたのだけど、一番基本的なのは意味として正しいと思われる(1)だと思う。(2)は、わかっている人が使う分には便利だと思うのだけど、そうでない人にとっては予想外の事態を招きやすいやり方だと思う。(3)は、とりあえず深夜までやってでもあげなきゃいけないときにはすいませんが使わせてもらいます的なやつ……かなぁ。

みなさまのますますのご発展を祈念しております。



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